12月22日、表参道にあるbamboo。ここで俺の会社人生を決めるであろう忘年会が行われました。今日の為に専務のモノマネ、半蔵門で見たモーニング娘。のダンスに似たティッシュ配りのモノマネ、千の風になってなどのネタを仕込んで行きました。
19時に開始。
四面楚歌。俺がまともに話せるのは同じ部署の上司2人くらい。さらに我が内に秘めたるクレイジーな部分を知ってるのは誰もいない。まずはどこから攻めるか会場の一番後ろから見る。それぞれ本社の内勤、お偉いさん、関西の営業、関東の営業、来賓などのグループに集まっている。ガッチリとスクラムを組んでどこも切り崩せない。
みんな店員が運ぶオードブル的なものをつまみながら酒やジュースで談笑中。俺は上司2(35才独身+下戸)とジュースを飲みながらオードブルをつまんでました。ここで上司1(57才既婚+親父の友人)が登場。
上司1「お〜ちゃんと食ってるみたいだなぁ!なくなるから食えよぉ〜」
上司2、俺「はい。食べてます。ありがとうございます。」
俺「あそこの取りに行きますか?」
上司2「行こうか?」
会場の端っこにホタテ、エビのフライやら分厚い肉やらが置いてありました。それを取って2人で食おうとしました。
俺「おっ!この肉うまいっすよ!」
上司2「ほんと?どれ?」
俺「これっす!」
?「おい!」
ふりむくとマヨネーズを一気飲みをした後のキューピーちゃんのようなヘアスタイルをした人が立ってました。関西の方の営業の人らしいです。ちょっと偉いっぽい。知らない。
キューピー「勝手に食ってんじゃねーよ!まだ誰も食ってねえだろうが!!!」
凄い剣幕で怒られました。そっと端に皿を置いて2人で後ろに隠れました。店員が配るオードブルをは食ってもいいらしかったんですけどメインディッシュみてえなのは食っちゃダメらしかったです。
はい終了。
ただでさえアウェーなのにもう何もできない。まだ、勝手に食っちゃおーぜい!的な感じの明るいノリで自分が食ってて怒られたら「アハ!すいませ〜〜〜ん!」みたいな感じであやまれたのですが普通にいいのかと思って食おうとしたら不意打ちで知らない人に怒られたんで気持ちが萎えた。ただでさえ空気みたいな存在だったのでここで一発ブレイクしようとしたのがもうできない。
司会者の人が新人紹介みたいなのをしてくれて俺も壇上に上がったんですけど名前を言って
「仕事は発送です。」
だけしか言いませんでした。頑張りますとかみなさん宜しくお願いしますのような事も言わない。つーか言えない。キューピーちゃんこえー。
その後は挫折の連続ですよ。司会者の人も45くらいの営業マンなんですけど金髪のカツラにグラサンかけて
「日本のみなさーん!こんにちわー私、日本はじめてで−す!まずは社長の挨拶からでも社長小さいと聞いてるので見つからないかもしれないのでみなさん探してくださーい。」
確かに社長は背が小さいんですけどそれを平気で言う営業。それでも怒らずにそれにのっかる社長。回りでワーワー騒ぐ社員達。後ろでボーッとする俺。
それから会社の毎年恒例のカラオケ大会。
鼠先輩。サザン、アンルイス、矢島美容室、キューティーハニーなど…みんな40過ぎのオッサン達がコスプレしてる。それだけならまだいい。問題はキューティーハニーと矢島美容室。
キューティーハニーをしたのは普段まじめそうな人。俺が挨拶しても軽く会釈するだけで結構見た目は怖そう。その人が女装をして化粧もバッチリ。さらに真っ赤なパンツに着替えてみんなに見せてました。俺の1、5倍くらい生きててここまでできる人がいるんだという衝撃。
それを越える矢島美容室。3人いてその中の1人が会社の営業のナンバー2で役職は部長。その人がはじけた踊りとパワフルな歌声でパフォーマンス。自分のホームだとしても俺はここまで出来ない。何もできない絶望感。そして、圧倒的なパフォーマンスで会場全体を包む笑い声に対する俺の敗北感。ちゃんと最後のポニョという歌詞まで再現。
あっ
全員脇毛剃ってる…
ただでさえ負けを認めてオロオロしてる俺にツルツルに剃られた脇を見て俺は思いました。
会社をやめたい…
福利厚生もバッチリ。会社の業績もこの大不況でプラス成長。営業はそれぞれ気を使いあいオジサンになってもはじけられる。若い女の子も普通に偉い社長や専務などとも楽しく話し誰もが仲の良いアットホームな会社。俺は矢島美容室のダンスや歌までならできるかもしれない。でも脇までは剃らない!!!
社長「アイツだけにはアレをやって欲しくなかった。」
そう隣でひとり言をつぶやく程、マジメな部長が脇毛を剃る。ちょっと涙が出ました。もうギブアップだ!タオルを俺に投げてくれ!!!
俺にはタオルを投げてくれる人すらいなかった…
それからは無駄に外に出てみたりトイレに行ってみたり喫煙所に行ってみたり会場の端っこにいたり誰にも話しかけられないように徘徊してました。もうノックアウト寸前で喫煙所に行ったがここでも
大阪営業マン1「誰も顔もわからんなぁー」
大阪営業マン2「そうやなぁー」
大阪営業マン1「あれ?◯◯(会社名)の人ですかぁ?」
俺「そうです。発送です。毎日、心を込めて発送してます。」
これが俺の発する言葉の精一杯。つまらん!
大阪営業マン1「もう一人入ってましたやろ?」
俺「あ〜◯◯さんですね。」
大阪営業マン2「そうやそうや!子供おるんやろ?」
俺「3人いるみたいですよ。」
大阪営業マン1「そりゃ最低3回はやってるんやな。」
大阪営業マン2「アホ!3回じゃきかんやろ!10回はやっとるで!」
大阪営業マン1「そうやな。もうすぐ4人目やな!」
大阪営業マン2「相変わらず機関銃やな!!!」
面白いよぉ〜…面白いよぉ〜…面白いよぉ〜…面白いよぉ〜…面白いよぉ〜…面白いよぉ〜…面白いよぉ〜…面白いよぉ〜…面白いよぉ〜…面白いよぉ〜…面白いよぉ〜…
関西の人、普通の会話が面白いよぉ〜…脇毛でやられて喫煙所に来たのにここでまた負けた。
もうしょうがない飲むしか無い。ビール飲んだ。
なんで誰も「お前がビール飲むな!」とか「顔が赤いぞ!」とか「ハゲ!」とか「デブ!」とか言ってくれないんだぁぁぁぁああ!!!
ベイビーボーイ!私はここにい〜るぅよ〜!
でも俺は空気。
ちゃんとメシ食ってるか?
キューピーに怒られてから食ってない。
最後に放心状態でボーーーーッとする社長が俺のそばに来てひとこと。
社長「まあ腰をすえてゆっくり頑張れよな!」
ギャグの事?人間関係の事?多分仕事でしょうけど…
ぶっちゃけた話をしますと俺も多少は面白いんじゃないかと思ってました。いや面白くなくても体張れる男だと思ってました。もう俺の存在意義ってもんが全てのこの会社の忘年会でなくなった!
俺は今まで0か100の男でした。学生時代に付き合った彼女にも「なんで普通にしてくれないの!極端なのよ!」とリフレインで叫ばれましたがもう限界。
明日から普通の男
もうチンコ出したり孫悟空と闘ったりモノマネしたりしない。もう超普通。みんなに合わせて笑ったり相づちを打ったりします。人の悪口も言わない。褒めもしない。すべてフツーで平均的なサラリーマン安部礼司先生を目標に分かります。俺も安部礼司先生のように旧姓倉橋優みたいな子と結婚してごく普通の家庭を作ります。
もうやだ!!!誰か俺を首閉めて殺してくれ!!!
格闘家の吉田秀彦選手がクビをしめてくれました。
どーもありがとう。試合前で減量中なのに来てくれてみんなガンガン食ってんのに水だけ飲んで写真バシャバシャ撮られてるのに常に笑顔。しかも減量中だからかズボンがズリズリ落ちてるのをずっと直してるのがかわいかったです。
今日の1曲は真心ブラザーズのけじめの位置〜栄光の軌跡II〜からどか〜んを紹介します。どか〜んと行けなかった…真心もないのでけじめの位置として会社では今まで以上にしゃべらない。何か面白い事を言おうとかもちろん下ネタも言わない。9時出社して18時に帰宅する。それ以上でもそれ以下でもない。プライベートでも普通にしますんで見捨てないで下さい。むやみに叫んだりしないっす。本当です!!!誰か助けて下さい!!!
いつかキューピーにリベンジしてやる。